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日別アーカイブ: 2025年11月12日

株式会社上市屋銘木店のよもやま話~“緑の経済”~

皆さんこんにちは!
株式会社上市屋銘木店、更新担当の中西です。

 

 

“緑の経済”

日本の国土の約7割が森林。
そのうち、およそ4割は“人の手によって植えられた人工林”です。
スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツなど——これらを管理し、育て、伐り、また植える。
それが、**林業(forestry)**という仕事です。

かつては“きつい・危険・儲からない”といわれた林業。
しかし近年、脱炭素・再生可能資源・地方創生の文脈で、再び脚光を浴びています。
今回は、現代の林業が果たす役割と、その奥にある“人と森の共生”を掘り下げていきます


1. 森林を「育てる」という産業

林業の仕事は、木を切ることではなく、森を育てること
苗木を植えてから、伐採できるまでに約50〜80年という時間がかかります。
つまり、1人の林業従事者が“自分の植えた木を伐ることなく人生を終える”ことも珍しくありません。

その間に行われる主な作業は

1️⃣ 植林:伐採後に苗木を植える。
2️⃣ 下刈り:雑草や低木を除去し、苗の成長を助ける。
3️⃣ 間伐:密集した木を間引き、残りの木の光合成を促す。
4️⃣ 枝打ち:節を少なくし、良質な材木にするための剪定。
5️⃣ 伐採・搬出:成熟した木を伐り出し、丸太として市場へ。

これらの作業が連鎖しながら、1本の木を「製品」へと育て上げていきます。
まさに“100年単位の農業”といえるのが林業です。


2. 現場のテクノロジー ― スマート林業の時代へ

かつて林業は“人力とチェーンソーの世界”でした。
しかし今は、ドローン・GPS測量・ICT・高性能林業機械の導入により、
「スマート林業」へと大きく変わりつつあります。

たとえば

  • ドローン撮影+GISで、伐採範囲や樹種構成を3D可視化。

  • 高性能ハーベスタで伐倒・玉切り・皮むきを自動処理。

  • データ管理アプリで伐採記録・搬出量をリアルタイム管理。

これにより、労働負担の軽減・安全性の向上・材価の安定化が進んでいます。
若手が参入しやすくなっただけでなく、**「森の見える化」**が政策判断にも役立っています。


3. 林業が支える環境と経済

森林は単に木材を生産する場所ではありません。
雨水を蓄え、CO₂を吸収し、土砂災害を防ぎ、生態系を守る。
そのすべてが「自然のインフラ」です。

林業が持続的に行われることは、
このインフラを“守りながら利用する”という、極めて重要な経済行為。

また、木材利用の拡大は「脱炭素社会」に直結します。
木は成長中にCO₂を吸収し、伐って建築材に使えば、その炭素を長期間固定できます。
鉄やコンクリートと比べても、木材は製造時のエネルギー消費が少なく、環境負荷が小さい。

つまり林業は、環境と産業を両立させる“グリーンエコノミーの要”なのです。


4. 木材の価値を“暮らしの中へ”

林業が生み出す木材は、住宅・家具・紙・燃料など、私たちの生活を形づくる素材です。
近年は特に、国産材の利用拡大が進んでいます。

・住宅の内装にスギ・ヒノキを使う
・木製パレット・木質チップによる物流の脱プラ
・バイオマス発電用チップで再生エネルギー化

「伐って使って、また植える」このサイクルをまわすことで、
森林資源を持続的に活かすことができます。

国産材利用の増加は、地域経済の自立にもつながります。
林業者・製材所・建築会社・自治体が連携することで、
“地産地消の森づくり”が現実になりつつあります。


5. 森を未来へ

林業は、今まさに転換期にあります。
人口減少による担い手不足、材価の低迷、気候変動による害虫被害…。
それでも、森は人の手を待っています。

森を守ることは、地域を守ること。
一本の木を育てることは、百年先の風景をつくること。

林業は“過去の産業”ではなく、“未来をつくる仕事”です。
森に生きる人たちの誇りは、きっとこれからもっと多くの人に届くでしょう。

 

 

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